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Technology
保有技術
経理業務の効率化のため、近赤外(NIR)スキャン技術を用いた新機能を搭載した、A3カラー複合機向け帳票スキャン拡張ユニットを開発しました。
従来の経理業務では、帳票を1枚ずつスキャンし、会計ソフトに手入力する必要がありました。それらの業務を効率化することを目的に、業界で初めて近赤外光(NIR*1)スキャン技術を用いた新機能を搭載した、A3カラー複合機向け帳票スキャン拡張ユニットを開発しました(2024年1月時点、図1)。従来のRGB画像に加えて、NIR画像も同時に取得することで、様々なサイズの帳票をまとめてスキャンでき、またOCR*2認識率の高い画像を得ることが可能になります(図2)。
*1 NIR: Near InfraRed(近赤外)
*2 OCR: Optical Character Recognition(光学文字認識)
本技術は、以下の2つの技術で構成されます。
様々なサイズの帳票をまとめてスキャンするためには、原稿のサイズを自動的に認識する必要があります。原稿の画像を取得する際、原稿が暗くならないように、従来は原稿スキャン時の背景を白くしていました。しかし、一般的な原稿は白いため、背景も白いと、原稿と背景の境界がわからず、原稿サイズを認識できないという問題がありました。その問題に対応するため、画像の背景部分にNIR光を吸収する特殊な部材を使用しました。NIRの波長領域は人の目に見えないため、一見白く見えても、NIR画像では暗く見えるような部材を作ることができます。これにより、RGB画像で原稿と背景の境界がわからなくても、NIR画像で原稿と背景の境界をくっきりさせることで、原稿サイズを認識することができます(図3)。原稿サイズを正確に認識することで、高精度な原稿領域の切り出しと、原稿の傾き補正を行っています。
従来は、帳票を1枚ずつセットし、手動でサイズを設定してスキャンしていました。それに対して、原稿サイズ認識技術を搭載することで、様々なサイズの帳票をまとめてスキャンすることが可能になりました。これにより、帳票10枚あたり約9.0分かかっていたスキャン作業を、約1.5分でできるようになりました(図4)。
帳票から会社名などの情報をOCRで抽出し、会計システムへの入力作業を効率化することが一般的に行われています。その中で、帳票内の文字に重なって押印されているケースがよくあり、OCRが失敗してしまう要因となります(図5)。しかし、RGB画像の色情報から押印部分を除去しようとすると、押印部分と重なった文字部分もまとめて除去されてしまいます。そのような状況でもOCRできるようにするため、NIR画像で黒文字部を認識することで、色の重なった部分に対して黒文字を際立たせるようにしました(図6) 。これは、NIR光が色材毎に異なる吸収特性を持つことを利用しています。以上から、OCR認識率を向上させることが可能になります。
OCR認識率向上技術により、OCR認識率が従来に比べて1.8~3.0倍向上しました(図7*3)。これにより、会計システムへの入力精度が向上し、業務効率化に大きく貢献しています。
*3 経理帳票50枚に対して、押印されることが多い「会社名」のOCR認識率を評価。