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Technology

保有技術

衝撃シミュレーションを活用した包装プラスチックの削減技術

概要

ETRIAでは、製品及び包装材単体の衝撃シミュレーション技術や製品と包装材を複合した衝撃シミュレーション技術を開発しています。
また、衝撃シミュレーション技術を活用し、デジタルカラー複合機のプラスチック包装を環境性能の優れる紙主体包装に切り替えました。紙製包装材の理論的な緩衝設計を実現することより、従来の発泡プラスチック緩衝材同等レベルの緩衝性能を達成しています。

技術詳細

背景

リコーグループでは2020年に製品包装における「化石資源由来バージンプラスチック」使用量を、2030年までに50%以上(2020年比)削減する目標を定めました。この目標設定を受けETRIA株式会社では、使用後のマテリアルリサイクルが進んでいないプラスチック包装自体の使用量を削減する指針を定め、生産規模の大きいデジタルカラー複合機向けの包装仕様を対象に、使用後もワールドワイドでマテリアルリサイクルが望める古紙材料を主原料とする紙製包装に切り替えることに挑戦しました。

工場で製造した製品は、お客様に届くまでにコンテナ船やトレーラによる海上・陸路輸送や倉庫等での荷扱いの過程で、振動や衝撃を受けます。このため振動や衝撃に対して製品破損を防止する事を目的として、製品の特性に応じて包装材による保護が必要となります。
特に精密機器である複合機には大きな衝撃は許されず、緩衝材を用いる事で輸送中に受けた衝撃を緩衝材の変形により効率的に吸収し、製品に加わる衝撃を緩和します。
従来使用されていた発泡プラスチック緩衝材は、精密機器に昔から採用されてきた事で研究が重ねられ、衝撃緩衝機能を制御する理論的な“緩衝設計技術”が確立されています。一方で紙製緩衝材は理論的な緩衝設計技術が未確立であり、従来は精密機器の保護に採用する事が困難でした。また紙製緩衝材の中でもパルプモールド緩衝材は従来の発泡プラスチック製包装材に比べて硬い材料であるため、衝撃を緩和する緩衝設計技術がより重要となります。

技術の特徴

本技術は、以下の技術で構成されます。

実機評価では見えない、破損・変形しそうな箇所も可視化する衝撃シミュレーション技術

ETRIAでは、製品単体および包装材単体の衝撃シミュレーション技術だけでなく、製品と包装材を複合したシステム全体で輸送などの衝撃に耐える強度を実現すべく、緩衝材が変形しながら衝撃を吸収していく様子や、構造の弱い箇所にダメージが集中する様子を可視化する技術を開発しています。

これらの技術は、自社独自の検証結果で得られた包装材物性データや衝撃印加方法を活用することによって実現しています。
衝撃シミュレーション技術の活用により、破損のメカニズムを理解して対策を打つことで最適な製品構造と緩衝材形状の検討が出来るため、物流効率の良い包装寸法(小型化)が可能となり物流費低減と省資源化に貢献しています。

紙製緩衝材の設計技術(包装プラスチック削減)と環境負荷低減効果

パルプモールド緩衝材で衝撃緩衝機能を制御する理論的な“緩衝設計技術”を開発するにあたり、まず緩衝性能に影響する因子(以下、影響因子と呼ぶ)を特定する必要がありました。そこで緩衝材の衝撃特性の検証実験を衝撃シミュレーション技術の活用により実機レスで効率的に進め、影響因子を抽出しました。多数存在する影響因子から、ロバスト性が高く性能に寄与する因子の特定を効率的かつ経済的に進めるべく、品質工学のパラメータ設計手法を用いたL18型直交表の実験計画を採用し、総当たり実験の場合26,244回必要であった実験数を108回に省略して進めました。

上記の結果から、影響因子のうち緩衝性能に大きく寄与する因子を特定し、衝撃加速度との相関性を示すデータを蓄積することで緩衝機能の理論化を進め、従来のプラスチック包装材と同様に理論的な緩衝設計技術を確立しました。従来と同じ包装寸法の中で緩衝性能を最大効率化することができ、結果として発泡プラスチック緩衝材同等レベルに衝撃を緩和する性能を実現しています。

100%古紙パルプから製造する完全リサイクル素材のパルプモールド緩衝材を主体とし、パレットも段ボール製とする事で包装材全体の96%(重量比)を紙製材料にすることを実現しました。使用後はワールドワイドでリサイクル出来る包装仕様を実現しています。
前身機種に対し化石資源由来のプラスチック使用量は54%削減しており、環境負荷削減効果は258t/年のプラスチック使用量削減と、ライフサイクル全体で温室効果ガス1,586 t-CO2eq/年の削減を見込んでいます。

関連情報

搭載製品名

  • RICOH IM C7010/C6010/C5510/C4510/C3510/C3010/C2510/C2010
  • RICOH IM C3010SD/C4510SD/C6010SD

表彰受賞歴

  • (2023/11/21) エコマークアワード2023 ベストプロダクトを受賞
  • (2023/12/18) 製品・ビジネスモデル部門で省エネルギーセンター会長賞を受賞
  • (2024/03/01) 「地球環境大賞」経済産業大臣賞を受賞